ビリヤード、人気スポーツへの道(ブログ)

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ビリヤード 小説3

とても退屈をしていた。何かないかと、いつももがいていた。高校までは剣道部に入っていたけど、好きで始めたものでなかったし、やはり漫画家になりたい夢があったものだから、何か漫画系のサークルに入ろうと思った。

今では建て直してしまったけど、当時は二階建ての掘っ建て小屋みたいな、白塗りでボロボロの薄暗い部室棟を訪問した。

部室棟の広い玄関口のところには、薄汚れた靴が山のように並んでいた。手前には自動販売機が二台あり、片方は紙コップ型のジュースと、片方は懐かしいカップ麺の自販機だった。中々に味がある雰囲気だった。

入り口のところには案内図があって、そこを見たら漫画サークルっぽいのは無かった。ただ、二階の奥の方に美術部みたいなのがあったので、そのドアを二回トントンと叩いた。


中には5、6人のオタクのような風貌をした男達がたむろしていた。バンダナ、後ろ髪伸ばし、シャツは中に入れる。靴は山登り用みたいな。そして、ジーパンはよく洗われていて色薄めのストレートだ。

部室内はというとガンダムのプラモやら、イラストやら、絵の具、人体模型など、割と美術部っぽい雰囲気満載であった。

奥の方から「入部希望?」と、少し歳を取って落ち着いた感じの中肉中背、メガネをかけて耳が隠れるくらいの黒髪で真ん中分けの方が声をかけてくれた。言われるがまま、椅子に座らされて、4人くらいに囲まれて、色々質問を受けた。

どうやら「漫画、イラスト、プラモ」みたいに、3つの部門に分かれているらしく、どれかを選択しないとならないようだった。当然、漫画を選択したのだが、その時「えー、漫画なの?イラストの方がいいよ」と、曙のような巨漢で顔は山下清みたいな男が、考え直すよう言ってきた。

しかし、元々漫画を描きたくて来たので、迷わず漫画を選択した。部門ごとに責任者がいて、漫画の責任者は殆ど部室に顔を見せないとの事だった。こんな感じで、サークルに入る事になった。


サークルに入る事により、同じように入学した1年生の知り合いが一気に5人増えた。1人はとにかくずっと喋っているやつ。2人目はいつもチョッキを着ていてあだ名を「木こり」と名付けた。3人目は関西弁きつめの、兵庫県出身のやつ。4人目は富山出身で大人しく、顔は30過ぎのような、何が理由で入部したのかよくわからないやつ。最後に、アニメとか割と好きという、少しチャラチャラしている奴がいた。


授業には元々そんなに行ってなかったので、家とバイト先の行き来だけの生活から、部室という中継地点が加わった。暇だし、しばらくは部室にたむろしながら、ああでもない、こうでもないと、暇を潰す日々が続いた。


入部して直ぐに気づいたのだが、このサークルで実際に創作活動をしているのは数名で、20人くらいいるので、大半が特に何もしてないような、そんな感じの人達だった。

2ヶ月経過した頃には、期待していたものは、ここには無いと判断し、退部する事を決めた。辞めると決めた時に、例の漫画部門の責任者と初対面する事になった。なんだか、落ち着きのない男だった。しかし、この男との出会いがその後の学生生活に大きな影響をを与える事になった。


まだまだ、ビリヤード にたどり着かない


つづく