ビリヤード、人気スポーツへの道(ブログ)

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ビリヤード小説2

中華屋のバイトを辞めて、とても暇になった。勿の論、お金もない。仕方なくバイト探しを始めたのだが、これが案外と直ぐに見つかった。

今では無くなってなくなってしまったけれど、駅前のゲームセンターで働くことになった。セガだ。時給700円。今思えば、正気ですか?と言いたくなるレベルの金額。しかし、当時は割と普通だった。


ゲームセンターのバイトはというと、これが予想以上に楽だった。基本的には、ガラス吹きで手垢のついた台を拭くくらい。後はUFOキャッチャーのぬいぐるみの置き方調整したり、プリクラの紙を補充くらいのもの。

ここのバイト仲間は、なんだか不良っぽいというか、お水感満載な佇まいな男女ばかりだった。場所が湘南なので、黒く日焼けした、見ているだけで磯の香り、否、潮風を感じるようなそんな感じの人達だった。

当時の私はそういった危険な香りのする雰囲気に興味がない訳じゃなかったので、付かず離れずの絶妙な距離感を持って接していた。


別に何か研究したくて入ったわけじゃない大学だったから、勉学に励むわけでもなく、いかに楽に単位をゲットするかくらいの所に労力を割けばいいだけなので、当然のごとくバイトが生活の中心に立っていた。


高校まではアルバイトなんかした事はなくて、大学に入り一人暮らしをする事によって、初めて社会に触れ、更に自分史上最も大金を手に入れた。大金と言っても、すごく頑張って月に6万円くらいのものだ。


金があれば、これを使いたくなる。辻堂はゲームセンターと古本屋があるくらいであって、田舎町。なので、やはり隣の藤沢駅か、横浜、平塚辺りがプレイスポットになっていた。ほぼ毎日プラプラしていた。

ただ、当時の娯楽と言ったらゲームセンターでKOFか、ストリートファイターをやるかどうか。もしくはカラオケとか。夕飯は吉牛か、すき家のキムチ牛丼。中華屋でサンマーメンやら、「肉めし」なんていう俗称がついているものをヘビーローテションで食べていた。


スタートダッシュは良かったのだが、人間とは贅沢なもので飽きてきた。なんだか、毎日同じ事をやっているような、このままでは駄目になるのではという恐怖を感じるようになってきた。そんな事を思いながら、レンタルビデオ屋でビデオを選んでいる生活がしばらぬは続いた。退屈はつづく。


ビリヤード は、どこに?


つづく