中国留学してたときに、ビリヤード場に毎日通っていたのだけど、とにかくボロい店が多かった。よーく通った店は、留学していた大学に行く途中にあったものだから、授業が終わって学食で飯を食ったら、そのまま2時間くらいやってた。
サングラスをかけた、割と愛想の良いオヤジが店主で、店に行くと「いーぴん、くーらー」とか言ってビンのコーラを飲みながらやってた。
周りの客はほぼ100%が中国人で、10年以上前だったからなのか、私が行っていた地域がそうなのか、まあ、けっこうなザラ場感があった。
大抵、ほかのテーブルは賭け事をしていた。
わたしは、黙々とビリヤードをしていた。1時間が5元くらい。80円くらいかな当時で。ま、日本人にとっては安い娯楽です。中南海ってタバコがマイルドセブンに味が似ていたものだから、毎日ぼかすか吸ってた。
さて、ビリヤード場だが、メンテナンスは最悪で、まあ、ボコボコ。さらに、チャイニーズ8仕様の難しい台なものだから、スヌーカー仕様のキューでやっていたのだけど、けっこうな苦痛が伴う感じだった。
ハウスキューの半分は、中で割れてる音がする。
この時思った「ああ、もっと日本みたいに綺麗な台やキューや球ならば、もっと上手く出来るのに」って。
負け犬の遠吠えである。
実際、あのクソボロの台の上で信じられないプレイをしていた現地のヤンキーみたいのがワンサカいたし。1人、本当にやばい奴がいて、クソみたいなキューを使ってめちゃくちゃ回転を効かせてやっていたのがいたな。
目を奪われた。
これが、私の成長点。
道具を凌駕する実力があるという事を知る。
ここ数年、ハウスキューだけでビリヤードをしている。理由は「たぶん、トップクラスの人は、道具あまり関係ないかな」とか思う。
イニシャルDの86みたいもので、最初は機能に頼らずに技を磨きたいかなと。
ジョイントもなく、真っ直ぐなだけの木のキュー。糸も、なんも巻いてない。まあ、なんだか軽い。無駄に軽い。
キチンとキューをブンって振らないと、球に負ける。ブンってやりすぎると、今度はまあ曲がる。
すげーむずいっていうか、疲れる。
1万円くらいのキュー、買った方がいいかな